診療案内-デリケートゾーンのトラブル-

外陰部の異常には、
できもの、痛み、かゆみ、腫れる、ただれる
などがあります。
これは、病気のサインとして重要な場合も。
気になる異常がありましたら、
お早めにご相談ください。

デリケートゾーンのトラブルについてご説明

かゆみ

外陰部のかゆみの原因
外陰部疾患
接触皮膚炎 下着、生理用品、洗剤、尿、外用薬など
外陰・腟炎 カンジダ腟炎細菌性腟症腟トリコモナス性器ヘルペスなど
非腫瘍性上皮疾患 アトピー性皮膚炎、乾癬、外陰ジストロフィーなど
外陰部腫瘍 尖圭コンジローマ、外陰癌、腟癌など
寄生虫 毛じらみ症
その他 心因性など
全身性疾患
内分泌・代謝疾患 糖尿病、甲状腺機能異常など
肝疾患 黄疸、閉塞性胆道疾患、胆汁うっ滞など
腎疾患 慢性腎炎、慢性腎盂腎炎など
血液疾患 鉄欠乏性貧血、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など
その他 悪性疾患(胃癌、乳癌など)、薬剤、精神神経疾患

痛み

痛みの原因となる代表的な疾患
カンジダ腟炎
毛嚢炎 毛穴の奥に細菌が感染した状態です。
アポクリン汗腺炎 汗腺に細菌が感染した状態です。
粉瘤 皮下に角質や皮脂がたまっているところに細菌が感染した状態です。
バルトリン腺膿瘍 外陰部の下1/3の腟測方にあるバルトリン腺に細菌が感染した状態です。
性器ヘルペス(性感染症)
ベーチェット病 全身性の疾患で、性器ヘルペスと似た潰瘍ができますが、ヘルペスより潰瘍が深く、痛みも強く出ます。
尖圭コンジローマ(性感染症)
外陰癌

など

できもの

できものができる代表的な疾患
毛嚢炎 毛穴の奥に細菌が感染した状態です。
アポクリン汗腺炎 汗腺に細菌が感染した状態です。
粉瘤 皮下に角質や皮脂がたまっているところに細菌が感染した状態です。
バルトリン腺膿瘍 外陰部の下1/3の腟測方にあるバルトリン腺に細菌が感染した状態です。
性器ヘルペス(性感染症)
梅毒
尖圭コンジローマ(性感染症)
線維腫
血管腫
脂肪腫
外陰癌

など

おりもの異常(におい、量)

おりものとは

おりものとは、「女性生殖器(外陰・腟・頚管・子宮腔)からの分泌物」のことです。健康女性の腟内容物は、白色、粘調性で腟に薄く付着する程度です。
正常な性成熟期の女性の腟は、エストロゲンの影響でLactobacillus属(乳酸菌)という善玉菌が存在しています。これが、腟を酸性に保って病原体の侵入や増殖を防いでいます。
ところが、免疫力低下、抗生剤使用、過剰な腟洗浄、性交渉、エストロゲンの低下などによってこの機構が乱れると、おりものの異常として現れます。
また、子宮癌でもおりものに血が混じる、おりものの量が増える、においが出るなど、おりものの異常が現れることもあります。気になる症状がある時には、放っておかずに検査を受けてください。

こんなおりものはご相談ください
  • 量の多いおりものが続く
  • においが気になる
  • ヨーグルト状、酒粕状のおりものがある(カンジダ腟炎)
  • おりものが白色や牛乳様で、たまに泡が混じる(トリコモナス腟炎)
  • おりものが膿のように黄色や緑黄色でクリーム状(感染症や悪性疾患が疑われる)
  • 液状のおりもの(感染症や老人性腟炎や悪性疾患が疑われる)
  • おりものに血が混じっている(感染症や悪性疾患が疑われる)
おりものに血が混じっている場合

おりものに血が混じっている場合、下記の病気や妊娠の異常が疑われる場合があります。
当院では婦人科検診も承っておりますので、不安なことがございましたら、ぜひご相談ください。

不正出血の原因
  • 炎症病原菌の感染、萎縮性腟炎など
  • ホルモン異常卵巣機能不全など
  • 良性腫瘍子宮頚部ポリープ、内膜ポリープ、子宮筋腫など
  • 悪性腫瘍子宮頚癌、子宮体癌、子宮肉腫、卵巣腫瘍など
  • 妊娠に関連するもの流産、子宮外妊娠など
  • その他子宮腟部びらんなど
不正出血の原因
炎症 病原菌の感染、萎縮性腟炎など
ホルモン異常 卵巣機能不全など
良性腫瘍 子宮頚部ポリープ、内膜ポリープ、子宮筋腫など
悪性腫瘍 子宮頚癌、子宮体癌、子宮肉腫、卵巣腫瘍など
妊娠に関連するもの 流産、子宮外妊娠など
その他 子宮腟部びらんなど

 

バルトリン腺嚢胞・膿瘍について

バルトリン腺は、外陰部の下1/3の腟側方にあって、性的に興奮した際に潤滑液を出して性交を行いやすくします。
バルトリン腺嚢胞は、感染による慢性的な炎症が原因となってバルトリン腺の開口部が閉塞し、嚢胞になったもので、感染を伴うと膿瘍となって痛みを伴います。

バルトリン腺嚢胞・膿瘍の症状

原因菌には、ブドウ球菌、大腸菌、レンサ球菌、淋菌、嫌気性菌などがあります。
バルトリン腺外陰部に嚢胞ができている状態では、通常、痛みなどの症状は伴いません。しかし、感染して膿瘍を形成すると、局所的な痛みを感じますし、赤く腫れて熱感を覚えるようになります。
バルトリン腺膿瘍は、大きくなると鶏卵ほどにまで腫れあがるケースもあります。

バルトリン腺嚢胞・膿瘍の治療

バルトリン腺部にしこりが見られることから、診断は容易です。多くは片側に発生し、ほとんどの患者さまは、バルトリン腺膿瘍の状態になって痛みと腫瘤に気づいて受診されます。
手術によらない保存的治療では、抗生物質を投与します。また、必要に応じて膿瘍を穿刺または切開で排膿し、その内容液を一部採取して、細菌培養検査を行い、原因菌を特定します。
しばしば再発するため、外科的治療として、病変部を切開し、膿の排泄口をつくるバルトリン腺嚢腫開窓術や嚢胞自体を摘出するバルトリン腺嚢腫摘出術という手術が選択されます。